ISSUE 30, AUTUMN 2026
『Laine』30号のテーマは「Layers(層)」。肌寒くなる季節に身を包みたくなる、美しいニットコレクションをお届けします。愛らしい質感、繊細なレース、ふっくらとしたケーブル模様、そして魅力的なカラーワークが揃いました。写真は、数十年の歳月が層となって積み重なる、趣のある歴史的な工場跡で撮影されました。ノスタルジーと切なさを感じさせる空間と、澄んだ太陽の光が、作品をより一層引き立てています。
各パターンの解説やおすすめの毛糸を紹介しているインスタライブもぜひご覧ください!
今号の掲載デザイナー:Maria Bach Jensen、Amy Baldwin、Aneta Bleyer、Meghan Haughton、Heli Hottinen-Puukko、Anniina Juuti、Sara Ottosson、Veta Romanenkova、Inese Sang、Megumi Shinagawa、Anna Syrjänen、Natascha Tulloch、Yiğitcan Vatansever、Karin & Stina Weststrand。
また、6代にわたりポルワース羊の品種改良に取り組んできたオーストラリアの牧羊家Tom Dennis氏へのインタビューや、ベルリンの毛糸店「Yarn over Berlin」の紹介、Ling Wang(@merci.coucou)によるスタイル提案も掲載。さらに、編み物のスランプに陥った時に役立つヒントをまとめた特集「Five Ways」も必見です。
『Laine』30号(2026年秋)の内容:
164ページ。
15種類の編み図:セーター8点、カーディガン2点、スリオーバー/ベスト2点、ショール2点、帽子1点。
6代にわたりポルワース羊の品種改良に取り組んできたオーストラリアの牧羊家Tom Dennis氏へのインタビュー。
インスピレーションあふれる小話やヒント、製品紹介、レビュー、アイデアなどを集めた「Favourites」セクション。ベルリンの毛糸店「Yarn over Berlin」への訪問や、Ling Wang(@merci.coucou)のスタイル提案を紹介。
編み物のスランプに陥った時に役立つヒントを集めた特集「Five Ways」。
Suvi Ala-Venna(@kudelmiani)がメンタルウェルビーイングをテーマにデザインする連載「Wool & Wellbeing」の第2弾。
Jeanette Sloan(@jeanettesloan)によるコラム。編み物ができない時に、どのようにして創作の空虚感を埋めるかについて綴ります。
本誌掲載の各パターンに対するおすすめの毛糸をぜひご覧ください!

Maria Bach Jensenによるセーター「Worker」は、伝統的な男性用ワークウェアからインスピレーションを得た作品です。意図的にゲージをきつめに編む、リラックスしたオーバーサイズのセーターです。ボトムアップ式で編み、フロントにはリブ模様があしらわれています。グラフィカルで少し無骨な印象のスタイルですが、フェミニンなネックラインがリブ模様を見事にまとめ上げています。
おすすめの毛糸:
Woolia by Gepard
Woolstok Worsted by Blue Sky Fibers
Manchelopi by Wooldreamers
Mota by Wooldreamers

「Oat」は、コーディネート次第でカジュアルにもドレッシーにも着こなせる、クラシックで洗練されたセーターです。考え抜かれた構造と細部へのこだわりが、完璧で美しい仕上がりを実現しています。クルーネックで少しクロップド丈のフィット感、セットインスリーブ、そして全体に施されたバスケット編みのテクスチャーが特徴です。後ろ身頃からトップダウンでシームレスに編み進めます。肌寒い朝に温かいオートミールを食べる時のように、心地よく温かな着心地です。
おすすめの毛糸:
Amelie by Illimani
Soft by Isager
Le Coton & Alpaca by Biches & Buches
Snefnug by CaMaRose または My Joy by Gepard

Anetaによるカーディガン「Bothan」は、風景の層や畑の畝など、自然界に見られる水平方向のリズムと反復から着想を得ました。その結果、水平方向のパターンを思わせるテクスチャーが奥行きを生み出しつつ、全体を穏やかでシンプルな印象に仕上げたリラックス感のあるカーディガンが完成しました。トップダウンで編み、ヨーロピアンスタイルの肩の構造を採用しています。「Bothan」はスコットランド・ゲール語で「小屋」を意味します。
おすすめの毛糸:
Sayama by Pascuali(本デザインのオリジナル使用糸)
Eco Cashmere Vintage by Gepard
My Soft One by Gepard
Jensen by Isager
Camel DK by Pascuali
Tibetan Cloud by mYak

セーター「Hestia」は、上半身に施された印象的なカラーワークが、シンプルなシルエットにモダンな雰囲気を与えています。ドロップショルダーのオーバーサイズで、トップダウンで編みます。幾何学的で対称的なカラーワークのモチーフは、花や雪の結晶など、自然界に見られるパターンを連想させます。名前はギリシャ神話の暖炉や家庭を象徴する女神ヘスティアに由来しています。
おすすめの毛糸:
Camel DK by Pascuali
Le Lambswool by Biches & Buches
Natural Fawn by tribeyarns
Alpine Polwarth Possum by Wild Earth
Merino Possum by Circus Tonic
Eriu Elements
Orkney Angora Elsness DK
コントラストカラーに Selene!

「Lazybones」は、気取らない静かなエレガンスとバランスを兼ね備えた、クラシックでリラックスしたセーターです。簡単なレース模様が程よいアクセントとなっており、挑戦しやすいパターンです。トップダウンでシームレスに編み進め、フィンガリングウェイトの毛糸1本とシルクモヘア2本を合わせて編むことで、軽やかでありながら温かい、ふんわりとした編み地になります。
おすすめの毛糸:
Le Petit Lambswool by Biches & Buches (シルクモヘアを合わせて)
90 Varas by WoolDreamers (シルクモヘアを合わせて)
Tvinni by Isager (シルクモヘアを合わせて)
Merino Possum by Circus Tonic
Soft Fine by Isager
Prairie by Blue Sky Fibers

Anniina Juutiによるケーブル編みのベスト「Huurre」は、「気温が下がった時に着られる暖かいベストが欲しい」という思いから生まれました。ふっくらとしたケーブル模様と引き締まったリブの組み合わせが、テクスチャーの効いたエレガントな印象を与えます。モックネック、サイドのボタン、わずかに長めの後ろ身頃が、実用的なディテールを備えた現代的なシルエットを作り出しています。「Huurre」はフィンランド語で「霜」を意味し、トップダウンで平編みで仕上げます。
おすすめの毛糸:
Baby Yak Medium by mYak
Woolia by Gepard
Woolstok Worsted by Blue Sky Fibers
Mota by Wooldreamers

Sara Ottossonがビーニー「Shape of Water」をデザインする際、秋の森を流れる小川からインスピレーションを得ました。クラウン部分の波打つようなテクスチャーが、流れる水を表現しています。1x1リブで編む、弾力があり軽量なビーニーです。全編を通して2本どりで編みます。ベースとなるウール糸に、2色を交互に変えるアルパカ混のブークレ糸を合わせます。
おすすめの毛糸:
Jensen と Bouclé by Isager(本デザインのオリジナル使用糸)
Cautiva by WoolDreamers と Bouclé by Isager
Eriu Elements と Bouclé by Isager
Teddy Dear by Gepard
Chunky Andean by KAOS
Royal II by Illimani

セーター「Niti」は、Veta Romanenkovaが愛する幾何学模様と編み物のクリーンなラインから生まれました。ボトムアップで編むこのオーバーサイズセーターは、リズミカルに配置された非対称のケーブル模様が特徴です。交差せず流れるようなグラフィックラインがリズムを生み出します。ドロップショルダー、タートルネック、深いリブが、心地よくファッショナブルなシルエットを作り上げます。「Niti」はベラルーシ語で「糸」を意味します。
おすすめの毛糸:
Amelie by Illimani
Soft by Isager
Le Coton & Alpaca by Biches & Buches
Snefnug by CaMaRose または My Joy by Gepard
Alpaca 3 by Isager

Inese Sangのショール「Limina」は、秋の街の雰囲気と都会的な環境からインスピレーションを得た、クリーンなラインと控えめな質感が特徴です。細いケーブル模様があしらわれ、右端での4目の増目と裏端での2目の増目という加速的な増目により、幅広く浅い三角形のフォルムを作り出します。ストライプのショールは、どんなストリートスタイルにも自然に馴染みます。
おすすめの毛糸:
Le Petit Silk & Mohair と Le Petit Lambswool by Biches & Bûches(本デザインのオリジナル使用糸)
90 Varas by WoolDreamers (シルクモヘアを合わせて)
Tvinni by Isager (シルクモヘアを合わせて)
Scotland 2 by Sesia (シルクモヘアの有無はお好みで)
Merino Possum by Circus Tonic

Megumi Shinagawaによるカーディガン「Ihana」は、90年代の雰囲気を取り入れた、クラシックで愛らしい作品です。折り返し襟の縁はガーター編みで仕上げ、丸まらないように配慮されています。「Ihana」(フィンランド語で「かわいい」)は、ブークレ糸を使用してトップダウンでメリヤス編みで編み、ラグランヨークとボタンバンドが一体になっています。
おすすめの毛糸:
Bouclé by Isager(本デザインのオリジナル使用糸)
Feli by Illimani
Curly Cotton by Gepard
Le Coton & Alpaca by Biches & Buches

セーター「Siipi」は、Anna Syrjänenが夏の終わりに目にした、灰色の羽を持つ若い白鳥の姿から着想を得ました。「Siipi」はフィンランド語で「翼」を意味します。リラックスしたフィット感の、心地よくフェミニンなセーターです。後ろ身頃からトップダウンで編み始めます。ボートネックとスリット入りの裾に施された特別なリブ模様が特徴で、前身頃のレース模様は見た目よりも簡単に編むことができます。
おすすめの毛糸:
Le Lambswool by Biches & Buches (シルクモヘアを合わせて)
Eriu Elements (シルクモヘアを合わせて)
Woolia by Gepard
Mota by WoolDreamers

「Menamu」は、覚えやすい模様が特徴のリラックスしたラグランプルオーバーで、トップダウンでシームレスに編みます。Natascha Tullochは秋らしいパレットとして、中間的なコントラストを持つ2色の温かいトーンを選びました。同色のラグラン線がリブからヨークへと滑らかに流れ、細部にまで洗練された印象を与えます。袖口が絞られた幅広の袖は、動きやすさを損なうことなく、快適な着心地です。
おすすめの毛糸:
Plump DK by Mrs Moon
Sayama by Pascuali
Santi by Illimani
Eco Cashmere Vintage by Gepard
Selene by Sesia
Jensen by Isager
Tibetan Cloud by mYak

Offbeat(オフビート)スカーフは、ブリオッシュ編みでユニークでありながらも取り入れやすいカラーブロッキングを楽しめる一枚です。完璧に調和させるのではなく、あえて少し「オフビート(はずした)」な要素を組み合わせることで、調和を生み出しています。この大判のスカーフはブリオッシュ編みで、縦のストライプと市松模様という2つのセクションを交互に編み進めます。このリズム感のあるデザインは、音楽、市松模様、そしてグラフィックアートからインスピレーションを得ています。
おすすめの毛糸:
Plump DK(Mrs Moon)
Sayama(Pascuali)
Faroese Yarn
Eco Cashmere Vintage(Gepard)
Tibetan Cloud(mYak)

Ljung(リュン)は、レトロな雰囲気と洗練されたディテールを併せ持ったモダンな一枚です。トップダウンで編むストレートな丸ヨークセーターで、繰り返しのパターンが楽しく、やみつきになる編み心地です。テクスチャーのある編地は、すべり目、表目、裏目のみを使い、一度に1色ずつ編んで作られます。色選びとテクスチャーのパターンが、スウェーデン語でヘザー(ヒース)を意味する「ljung」という名前の通り、荒野のような表情を生み出しています。
おすすめの毛糸:
Merino Possum(Circus Tonic)
Le Lambswool(Biches & Buches)
Orkney Angora Elsness DK
Giacomo(Illimani)
Jensen(Isager)
Plump DK(Mrs Moon)
Alpine Polwarth Possum(Wild Earth)
Break the Pattern Suvi Ala-Venna著

Laineは、ニットを愛する人々のための高品質な北欧のニット&ライフスタイル誌です。私たちは、天然繊維、スローライフ、地元の職人技、そして人生における美しくシンプルなものを大切にしています。私たちの目的は、皆様が集い、分かち合い、そして遠く離れた場所からでも同じ志を持つ編み物愛好家、作り手、思想家のコミュニティの一員になるきっかけを提供することです。編み物は単なる「表目、裏目」の繰り返しではありません。それは「感情」なのです。
Laine誌には、一流ニットウェアデザイナーによるパターン、羊毛の世界にまつわる深い読み物、インタビュー、心躍る旅の記事、季節のレシピ、そして力強いビジュアルストーリーが掲載されています。